生活習慣病
ー lifestyle-related diseases ー
生活習慣病とは
食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症及び進行に関与する病気の総称です。かつては成人病と呼ばれていました。生活習慣病に該当する病気は高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、高尿酸血症・痛風、脂肪肝、アルコール性肝炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など多数存在します。生活習慣病の多くは発病しても進行するまで自覚症状がないことが多く、症状がないからといって放置するとやがて虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)、脳血管障害(脳出血・脳梗塞)、呼吸不全、肝硬変、腎不全など重篤かつ治療の難しい病気へ繋がっていきます。そのため、生活習慣病では深刻な状態となる前の対処が重要です。病気を発症しないように普段の健康管理に努めること(一次予防)、発症したとしても早期に発見し、生活指導や早期治療に努めること(二次予防)が重要であり、これらの点においてかかりつけ医は重要な責任を負うべきと考えています。
代表的な生活習慣病
脂質異常症
血液中の脂質が基準値から外れた場合を脂質異常症と呼びます。継続的な治療を受けている患者さまは220万人(厚生労働省平成29年患者調査の概況より)と言われていますが、治療を受けていない患者さまを含めると数千万人に至ると推測されます。脂質異常症自体にも自覚症状はなく、放置すると動脈硬化が進行し心筋梗塞・狭心症・脳血管障害などの深刻な病気を合併する危険性が高まります。

糖尿病
糖尿病は、血糖値が高い状態が続く病気です。肥満、食べすぎ飲みすぎ、運動不足等によりインスリンの分泌や働きに障害が起こると、2型糖尿病を発症します。高血糖が続くと全身の血管が痛めつけられ、様々な合併症を引き起こします。
◆糖尿病の治療

・食事療法
食生活を見直し糖尿病治療に対する意識を高め、習慣とすることが大切です。
・運動療法
インスリン抵抗性の軽減や、糖尿病の進展および種々の合併症の予防、さらにストレス解消等の効果があり、心肺機能や筋力を維持することに有用です。
・薬物治療
インスリン分泌細胞である膵臓のβ細胞が破壊されてインスリン分泌が枯渇してしまう1型糖尿病では、きめ細かなインスリン治療が必要です。インスリン分泌の低下とインスリン抵抗性の双方の関与が考えられる2型糖尿病では、さまざまな薬剤が患者さまの状態に合わせて用いられます。